2021年2月2日 更新


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日本手話学会第31回大会

日程:2005年7月16・17日

場所:千葉大学・けやき会館大ホール

 

【研究発表】

手話はCL言語か?

今里典子(神戸市立工業高等専門学校・神戸大学大学院)

音声言語の類別詞研究のコンテクストに日本手話を位置づけ,日本手話も類別詞(classifier)言語に分類されるべきかどうかを判断するための5つのポイントを紹介する.

 

形式としての運動とアスペクト

佐伯敦也(東京大学大学院)

 

「新しい手話」に対するろう者と手話学習者による容認度判定の違いについて

原大介(愛知医科大学看護学部)・前田吉則(愛知医科大学情報処理センター)

ろう者,Coda,聴者(通訳者および手話学習者)の各グループに対して,日本ろうあ連盟発行の「新しい手話Ⅰ」に掲載されている手話単語を掲示し,1から5までの5段階で容認度判定を実施した.ろう者と通訳者,ろう者と手話学習者による容認ど判定の結果には,統計的に有意な差が認められた.ここでは,ろう者と手話学習者(日本語対応手話学習経験なし)の2者間の容認度判定結果に論点を絞りその詳細およびχ2乗検定結果を詳しく論じる.

 

日本手話における頭の位置の言語的地位

市田泰弘(国立身体障害者リハビリテーションセンター学院)

 

手話詩におけるリズム:俳句を例に

金子倫子(ブリストル大学)

 

手話単語の時間長に関する検討

大高崇・西田昌史・堀内靖雄・市川熹(千葉大学)

手話における発話意図の理解には時間構造が重要な役割を担っていると考えられている.そこで,手話の時間構造を解明し,それを手話合成などの光学技術へ応用することが望まれているが,従来この分野に関する研究はあまり行われていない.そこで本研究では,手話文の構成要素である単語に着目し,単語時間超の分析から手話の時間構造に関する詳細な検討を行った.分析の結果,単語の時間長は手の移動量や運動の種類に影響を受けることが示唆された.また,移動量や運動の種類,単語の係り受け,文のキーワードを説明変数として重回帰分析を行なった結果,単語時間長がこれらの要因から予測できる可能性が示された.

 

会話研究のための話順交替モデルの提案

菊地浩平(千葉大学)

日本国内での手話会話を対象とした研究は,鳥越・小川(1997)による分析以降,徐々に増えつつあるが(寺内ら:2002,2002,2003),研究はまだまだ少ない.本研究ではろう者館で行われた会話データの観察から鳥越らが提示した発話交替モデルを発展させ,会話を研究対象として扱うための話順交替モデルを提案する.

 

自然手話対話における話者交替現象に関する考察

堀内靖雄・山崎志織・時田佳子・西田昌史・市川熹(千葉大学)

日本手話は音声と同様に実時間でコミュニケーションを行える対話型自然言語である.本研究では自然手話対話における話者交替現象の分析を目的とし,(1)自然手話対話の収録,(2)手話におけるポーズの概念を導入し,ポーズにより分割された発話単位の提案,(3)話者交替に関する分析を行った.結果として,手話対話の話者交替においても音声と同様の傾向が見られ,対話型自然言語としての共通性が示されると同時に,音声には見られない手話特有の現象もいくつか観察することが出来た.

 

情報処理から見た手話とその期待される役割

伊藤昇(a member of yokohama JSL&ASL societies)

As representatives of information processing media, a sign language, a verval language and a computer are selected, and compared with each other. In its result, the facile access to the sign language is emphasized and the medium is recommended as a common language of human beings for survival on emergencies such as sickness, traffic accidents, robberies, a loss of important papaers, and so on.

 

事象関連電位N400による日本手話の文脈理解分析:呈示例文の収集

宮本一郎(沖電気)・田中久弥(工学院大学)・長嶋祐二(工学院大学)・竹内晃一(沖電気)

 

テレビ電話を利用した手話通話

中園薫(NTT,千葉大学)・長嶋祐二(工学院大学)・市川熹(千葉大学)

携帯電話などのテレビ電話を利用した手話通話が利用可能となってきた.筆者らは,各種の品質条件で作成した手話画像をもちいた評価実験を実施し,手話通話のための品質の基準について検討した.その結果,手話の可読性を高めるためには,フレームレートの高さが最も重要であり,次Nに画像の符号化サイズが重要であることがわかった.また,各種の画面サイズで表示させた手話画像の評価実験の結果,画面サイズの違いは手話の可読性に影響がないことが示された.さらに,手話画像の特徴を生かした,手話画像用符号化方法を考案し,その有効性を確認した.

 

「国際手話の研究」:非手指動作の認知度の比較

中山慎一郎・宮本一郎・加藤三保子・亀井伸孝(日本手話研究所外国手話研究部)

 

異文化間におけるバーバルコミュニケーションの研究

砂田武志(世田谷福祉専門学校)

 

フィリピンのろう教育史とフィリピン手話

森壮也(アジア経済研究所)

フィリピンの言語的特殊性や開発途上国としての条件は,そこのろう教育の歴史や手話の形成に深く影響を及ぼしている.フィリピンにおけるろう教育史を概観することから,なぜフィリピンで用いられているのがASLであるというような状況が生まれたのかがおおよそ理解できる.その原因としては,フィリピン最大のろう学校,フォリピンろう学校(PSD)の由来,またフィリピン全土で展開されたPeace Corp.によるナイーブなASLしよう,アメリカ帰国者がフィリピンろう社会のリーダーになったことが挙げられる.しかし,新たに発足したPFDのリーダーが日本で研修を受け,ASL以外の手話に接したこと,また国内でフィリピン手話の第二世代の研究者が出現し,ろう社会と共に活動を開始したという状況により,現在,自分たちの手話を(姉妹言語ではあるけれども)ASLとはまた独立の言語としてFilipino Sign Languageとして,改めて認識しなおす流れが主流となってきている.

 

日本手話・日本語対応手話・日本語 言語接触による言語転移

ハロフスキー・W・J(名古屋学院大学)

 

日本手話および台湾手話の語彙比較研究:手形パラメターの違いに注目した予備的研究

佐々木大介(北星学園大学文学部英文学科)